金曜日の夜は~番頭劇場 2/6

『番頭劇場』・・・・・いわゆる番頭が勝手に妄想する、事実無根のフィクションがこのように呼ばれています。

 

 
皆様からの素朴な質問
 

番頭さま

いつも金曜日の番頭劇場を、
「笑っていいのか、反省すべきなのか分からない顔」で読んでおります。

さて、相談です。

私は現在52歳、会社では「落ち着いていて安心感がある」と言われます。
若い頃はそれなりにモテた(気がする)のですが、
最近は飲み会でも二次会に誘われず、
気づけば“相談役ポジション”に自然着地していました。

先日も後輩女性から
「◯◯さんって、ほんと“お父さんみたい”ですよね」
と満面の笑みで言われ、
なぜかその日はビールが苦く感じられました。

これは人として成長した結果なのでしょうか。
それとも、何か大事なものを失ったサインなのでしょうか。

教えてください、番頭さん。

 

 

多くのお客様から同様のご意見をもらいます。

 

「安心感がある」
「お父さんみたい」
「相談しやすい」

これらは決して悪口ではありません。
むしろ、人としては立派に昇格しています。

ただし――
恋愛という舞台からは、そっと降ろされているだけ なのです。

若い頃、
「危なっかしいけど放っておけない」
「何を考えているか分からない」
そんな評価をもらっていた男たちは、
年齢とともに“安全確認済みの存在”へと変わっていきます。

そして、本人だけが気づかない。

自分はまだ舞台の真ん中に立っているつもりで、
実はすでに照明の当たらない端っこに立っていることに。

後輩女性の
「お父さんみたいですね」
という言葉は、
優しさで包んだ卒業証書だったのかもしれません。

 


 

ここからも、本当のお話です。

 

私の唯一の親友も、同じことを言われた夜、家に帰って鏡を見たそうです。

そこには、
「まだいける」と思っている顔と、
「もう十分だろ」と言っている現実が、
仲良く並んで立っていました。

人生は残酷ですが、公平です。

モテを失った代わりに、信用と安心を手に入れただけ。

 

ただ一つ問題があるとすれば――
男は、その交換が行われた瞬間を、誰も教えてくれない ということです。

今夜この文章を読んで、
胸のどこかが少しチクッとした方。

安心してください。
それは老化ではありません。

現実に、ちゃんと気づいただけです。