金曜日の夜は~番頭劇場 3/13


『番頭劇場』・・・・・いわゆる番頭が勝手に妄想する、事実無根のフィクションがこのように呼ばれています。

 
皆様からの素朴な質問
 

私は54歳、自営業です。
この時期になると毎年、確定申告と格闘しています。

領収書の山を前にして思うのです。

「去年の自分は、なぜこんなにも適当に生きていたのだろう」

しかも今年はどうやら
思っていたより税金が高い

売上はそれほど増えた気がしないのに、なぜか納税額だけは立派です。

これは税金が高いのでしょうか。
それとも私の記憶が甘いのでしょうか。

多くのお客様から同様のご意見をもらいます。

 

確定申告とは、

一年間の人生を数字で突きつけられる行事です。

売上。
経費。
利益。

普段はなんとなく
「まぁ頑張った一年だったな」と思っていても、

会計ソフトは容赦ありません。

淡々と現実を並べます。

・この日は売上ゼロ
・この日は経費だけ
・この日はなぜか昼食が二回

人生の記録係としてはかなり優秀です。


さらに確定申告には
中年男性特有の現象があります。

それが

領収書の発掘作業です。

机の引き出し。
車のダッシュボード。
コートのポケット。

ありとあらゆる場所から
去年の自分の生活が出てきます。

「この居酒屋、行ったな」

「このタクシー、酔ってたな」

「この領収書……何これ?」

過去の自分がいろんな場所に痕跡を残している。

まるでだらしない探偵の捜査記録です。


そして毎年思うのです。

「来年こそちゃんと整理しよう」

しかし来年の自分は今年の自分と同じ顔で、また領収書を掘り起こします。

これを世間では伝統行事と呼びます。


ここからも、本当のお話です。

 

私の唯一の親友は、申告書を見つめながらこう言いました。

「こんなに払うのか……」

その顔は、

宝くじが当たった人ではなく、

宝くじを買い続けた人の顔でした。

人生は残酷ですが、不思議と公平です。

儲かった年は税金が増え、
儲からない年は心配が増える。

つまり我々は毎年、

どちらかを必ず受け取る仕組みになっています。

 

今夜この文章を読んで、

まだ手をつけていない領収書の山を思い出したあなた。

安心してください。

それは怠けではありません。

確定申告を前にした、正常な人間の反応です。

ただし――

税務署は
その気持ちにあまり共感してくれません。

 

私は自力申告を諦めて、去年から個人の確定申告もスーパー税理士さんにお願いしています。