~ハワイは遠くなった~
60代のお客様からの投稿です。
若い頃は、海外旅行と聞けば心が躍った。
飛行機に何時間乗ろうが平気だったし、乗り継ぎがあっても「それも旅の醍醐味」なんて言っていた。
ところが六十を過ぎると、ハワイという言葉を聞いて最初に頭へ浮かぶのはワイキキビーチではない。
「飛行機、何時間だっけ?」
これである。
機内では映画を観るより先に腰が痛くなり、ビールを飲めばトイレが近くなる。
窓側に座れば「すみません」を何度も繰り返し、通路側に座れば今度は他人の「すみません」で何度も起こされる。ビジネスクラスに乗るほどの余裕はないし。
到着する頃には、南国気分より疲労感の方が先に来る。
自分の年齢を否応なしに感じさせられるイベントのひとつが旅行なのです。
多くのお客様から同様のご意見をもらいます。
他の60代のお客様も同じ意見でした。
マチュピチュとアラスカのオーロラの次は人生最後のハードな旅を計画しています。トルクメニスタンにある地獄の門ツアーです。荒野を何時間も車で移動する場所にあります。
「せっかくだから行こうよ。」
そう誘われるたびに、心は行きたいと言っています。
しかし体は、
「近場の日帰り温泉でも十分じゃない?」
と、まるで別人格。
荷造りも昔はワクワクしたものですが・・・・・
今では薬の確認から始まり、湿布、老眼鏡、サプリメント、充電器…。
気がつけばスーツケースの中身は、お土産を入れる余裕がないほど健康グッズで埋まっている。
それでも不思議なもので、いざ目的地へ着けば、「来て良かった」と必ず思う。
映像だけで想像を巡らせた光景を眺め、ゆっくり流れる時間に身を任せると、疲れも少しずつ忘れていく。
ただ帰国して数日後、体力だけは正直である。
旅行の疲れを癒やすために、さらに休みが欲しくなる。
若い頃は、お金がなくて旅行に行けなかった。
今は、お金より体力の残高が気になる。
人生とは、なかなか都合よくできていないものです。
