黄金の湯

従姉妹の結婚式がたまたまあり、方位も良かったので東北方面へ。

ど田舎の披露宴会場は、近いように見えて全然遠い関係の親戚の方々と非常に親密な話し合いを方言で繰り広げなければなりません。
約40分で八方美人の相の限度超えてしまいます。


宴会を早々に抜け出して、地元では「黄金の湯」と昔から言い伝えられている源泉の湧き出す川べりの温泉へ。なんともべたな名前ですが、たて看板にその由来の一部が書かれています。

「・・・・この辺には桂沢金山という山があって、その山のふもとの金鉱脈の中から湧出しており、この湯に入ることにより、金運がつくといわれております。」

伝聞調のフレーズには一種独特の根拠のない不思議な説得力があります。

確かに昔は金が産出されて、この山間の村も大変賑わっていたことは郷土史に書かれていました。
あとから入ってきたお年寄りの皆さんも口々に、この「黄金の湯」の話をして、飲泉していきます。

はたして、この時間の飲泉は安全なのだろうか?とふと職業的な疑問がよぎってしまいます。

小さな縁かつぎの話題をお年寄りに提供してるこの温泉は好きですが、祖父の話によると、この辺でお金持ちになった人の話は婿に来てから60年、いまだに聞かないそうです。