忘れがちな座右の銘

イメージ 1

こちらは実家の特A級の椎茸です。
無農薬、天然液肥で栽培されたもので毎日収穫される数千個の中から少量採れる代物。
毎日、にょきにょきと大きくなり、朝の時点で、もうちょいかな?と思い温度と湿度をコントロールして
待っていると夕方にはベストな大きさになります。
不思議な生き物です。

これを軽く炙って醤油をつけて食べると・・・スーパーで買ったものでは決して味わえない至極の旨さです。



私の仲人で、この椎茸が大好きだった方が先週亡くなり、今日は葬儀に参列しました。

この人は、終戦後、生まれ育った北方四島国後島を追われて、東北の地に移住して両親と共にゼロからはじめました。
苦学をして地方の財閥のオーナーとの偶然の縁で、その企業に職を得て、後に役員になります。

その後、コカコーラに転進して常務取締役になります。

今から15年ほど前の電話屋へ転換を模索している辺りの事・・・・

「今後、自分の仕事をどうしたものか?」
というような相談をしたことがありました。

そのことには直接触れずに、自分の生い立ちを話してくれて、
「私はどうやら社内政治に敗れて、次の役員会で閑職に追いやられることになりそうなんだ。もう充分やったから、いいんだけどね。」と笑顔で話を終えました。

別れ際に

「目の前にある時間がずっと続くと思っていると、今やるべきことを明確にできないもんなんだ」



ちょうど今日と同じように、うっすらと雪が降り積もり、肌に刺さるような寒い日で、その時の情景ははっきりと私の記憶に残っています。

尊敬する人を亡くしましたが、その言葉はずっと忘れないと思います。