切り取り部隊

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借金の取り立てをすることを業界用語で『切り取り』と呼ぶということを昔、先生に教えてもらいました。

20数年前にドコモの下請けをしていた頃は、たまにそっち方面スペシャルな御客様の対応を依頼されることがありました。
恐らく、当時の先生なら、その風貌から「あいつなら、やれる!」と勝手に判断されたのだろうと想像しています。

でも、何故か?そっち方面の方の事務所にお詫びに行くのは私でした。

物々しい形相の若い衆がお待ちかねの古いビルのオフィスにお邪魔して、ことの顛末を説明して何とかうまい具合に終わりにするというお仕事・・・つまり、有名商社マンがやらかしたトラブルをいい感じに解決するというミッションでした。一流大卒の上々企業の方々は手を出さない、まさに汚れ仕事。

ミッションのために訪問すると、だいたい、3時間ほど軟禁されました。
先方はやっとつかんだ糸口から最大限の利益を上げようとあの手この手で言葉巧みに言質を取ろうときます。しっかりした組織形態のオフィスだと、脅し役から、なだめすかし役まで役割分担がしっかりしていて巧妙でした。

そっち方面の事務所にご勤務の方が地方出身である場合が意外にも多いことがわかり、だんだん慣れて来るとどこの出身かを聞き出して、祖父母仕込みの東北弁をもろに出して土下座すると憐み度が高くなるのか?大抵の話は丸く収まりました。
一度は、「実は・・・・私、ショップの者ではなくて『切り取り』の方を専門にしている子会社の方なもんで・・・」という一言で「なんだ、同業さんか?」と許してもらい、帰りのタクシー代まで出してもらったこともありました。

当時は「何で俺が、こんなことをしなければならないんだ???」と理不尽な思いでいっぱいでしたが、今思えば非常に良いOJTの場でした。


事務所でも電話鑑定のお振込みの確認ができていない方に問い合わせをすることがあります。
圧倒的に多くのお客様が律儀なほどにキッチリお支払いをしていただいておりますが、「カ)タケシタジムショ」で振込みがあったり、予約の名前と異なる会社名での振込みだったり様々です。


そこで登場するのが、内部スタッフの切り取り要員Dさんです。
単純な振込みだけでなく、予約のメールの内容や鑑定時のカルテ、予約表のメモから想像して、どの入金があって、どれがないのか?を探し出す探偵の様なお仕事です。

守備型地球人で、特定のポジションで生まれている彼女は、このような想像力を駆使した作業が上手です。
事務適性が欠落している方からすれば神業に見えることでしょう。

適材適所で時間の効率化が進められます。