餅は餅屋

さん『自力救済禁止の原則』ってご存じでしょうか?

 

自力救済禁止の原則って・・・・・
賃貸借契約期間中に借りた人が夜逃げとかで行方不明になってしまい
連絡がつかず、しかも家賃も払われないというケー スがあったとします。
こんな時、皆さんだったどう思いますか?

「勝手に荷物を残して夜逃げしやがって!けしからん!」って普通は思いますよね?

そんでもって、残された荷物で売れそうなものは売って払われなかった家賃の代わりにしようとするか、さっさと廃棄して次の人に貸そうとするのが当たり前ですよね?

 

でも、これマズいんです。

貸室に残した荷物は貸主が自らこれら残置物の処分を勝手に行う(自力救済する)ことは法律上、許されていないんです。

「え~!だって夜逃げした方が悪いでしょ?!!」って思いますよね?


残置物とはいえ、所有権を放棄する旨の一筆をもらうか、法的な手続きによって時間をかけて処分の強制執行ができる債務名義 (許可証のようなもの)をとる必要があるんです。

要は人の所有場所に勝手に物を放置しているから退かせ!という権利と、その荷物の処分ができる権利とは別だということなんです。

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例えばこんな感じに、ず~っと放置された車や残置物もりもりの車庫を含めて買い取ったとすると、買い取った所有者といえども勝手にこの荷物は処分できないわけです。

勝手に処分すると、放置していた所有者から逆に損害賠償を起こされることもあるわけで・・・・

 

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ということで、弁護士先生の登場です。

 

強制執行を粛々と進める段取りは・・・・ 


1.『訴訟提起』 最短一か月
2.『送達』 弁護士権限で本人の住所を特定し訴状を送る(一か月)
3.『公示送達』本人が訴状を受け取る可能性は少ないため公示送達(一か月)
4.保全手続き』残置物の所有者が所有権を第三者に譲渡しないように対抗措置
5.『裁判』 債務名義の判決文の取得
6.『保管と催告』執行日の指示により保管(現在の放置場所を指定してもらいそのま
ま保管) (半年ぐらい)
7. 『強制執行

 

弁護士費用と訴訟関係の費用、残置物処理費用で最低でも200万円弱。

 

コロナの緊急事態宣言により、裁判所の新たな訴訟手続きが延期しているため、今から
始めても7月以降にはじまり、終わるのは恐らく来年の夏ごろでしょうか?

流れを完璧にするための『保全手続き』は、なるほど!という感想でした。
人生いろいろ勉強になります。

来年の夏にはキレイさっぱり残置物がなくなるといいな~