『番頭劇場』・・・・・いわゆる番頭が勝手に妄想する、事実無根のフィクションがこのように呼ばれています。
どうやら歳をとると男性は女性よりも圧倒的に憶病になって、病院嫌いになる人が多い様です。
いろんなお客様のお父様の事を伺って調べてみると
頑固者の相と偏屈者の相、波乱万丈の相
この3種類の方が多いように思えます。
↑ここまでは、本当のお話です。
実家の父が指先のしびれを訴えてだいぶ月日が経ちます。
精密検査を受けるように母親も妹たちも必死。
以前から前立腺がんを疑われて・・・・
母が言った言葉が頭をよぎり私は一人で妄想していました。
『ガン遺伝するからあなたも頻繁に健康診断受けないと!』
前立腺がん
もし・・・父の遺伝子を正確に受け継いで自分もある時期がきたとしたら・・・・・
何よりも先に、男でなくなることに恐怖感を覚えた。
父ちゃん、早よ病院行け!
あんたひとりの問題じゃないんだ!・・・むしろ俺の将来がかかってるんだぞ!
母や妹たちのやっとの説得でMRIを試したらしい。
心配していた脳梗塞やその他の疑いも心配するほどではなかったようだ。
思いのほか重症ではなく、簡単なオペで手先のしびれは回復するということだ。
早速、手術の日程調整を母がしている様子だ。
その状況は母からはショートメールで二人の妹たちからはLineで大量に送られてくる。
どうして女性はこうも自分の言いたいことがたくさんあるのだろうか?
圧倒されて私はめったに彼女たちの会話に割り込めない。
一番気に入られている一番下の妹が何度も電話でなだめすかして、病院に行かせ、彼女たちの苦労の末、やっと手術同意書にサインしたらしい。
一安心だ。
むしろしばらく入院して他の気になる部分(特に前立腺)もこの機会に検診してもらった方が良いと思う。
入院前夜のこと・・・・・妹たちの不穏なLineのやり取り。
父が病院に行きたいくないと言いだしているらしい。
もういいかげんにしてくれ!と言いたいが、苦労しているのは私以外の母と妹たちだ。
男は何の役にも立たず申し訳ない思いだ。
母も妹たちも、がっかり意気消沈している。
入院当時の朝7時・・・・並んで朝食をとる。
あと何回コレができるかわからないので本当に貴重な時間だ。
我が家のお嬢さんに事の顛末を話す。
なにやら電話している様だ。
「おじいちゃん、今日はちゃんと病院行ってね。元気に退院できたら、また電話するね!」
母から驚きのメッセージがキタ。
病院に行くと言ってるらしい。
あれほど母や妹たちの苦労にも関わらず、たったお嬢さんの発した4フレーズで頑固者の気持ちは一瞬で変ったようだ。
正直、呆れた・・・・・