金曜日の夜は~番頭劇場 7/4

『番頭劇場』・・・・・いわゆる番頭が勝手に妄想する、事実無根のフィクションがこのように呼ばれています。

 
 
皆様からの素朴な質問
 

私の数少ない友達に会った時の話しです。

 

友達Sがこんな話をしました・・・・・ある日、俺はふと気づいたんだよ。

「人生、思ったより終盤戦じゃないか?」って。

テレビで“終活特集”を見ながら、
冷蔵庫の中の賞味期限切れヨーグルトと目が合って、
同じく「そろそろ片付け時か…」と囁かれた気がして、
ついに俺は――終活セミナーに参加したわけ。

 

場所は市民センター第3会議室。
壁には「あなたらしい最期を考える」と書かれたポスター。
軽い気持ちで参加したが、会場の空気が…やけに重い。

講師:「まずはエンディングノートを書いてみましょう。誰に何を遺したいですか?」

S:「(あ、遺すものも残す人も…いなかったわ)」

 
 
 
多くのお客様から同様のご意見をもらいます。

 

そんなことを思っていたその時。
一つ隣の席で、聞き覚えのある声が――

「字、ちっちゃ。昔から変わってないね」

!!!!!

その声はまさかの――

元カノ・洋子。

 

大学時代、青春も煩悩も全部ぶつけた人。
別れてから30年以上会っていなかった、
心の奥の“アーカイブフォルダ”にしまってあった女性。

S:「……え? な、なんでここに!?」

洋子:「あんたこそ、なんで?」


あの頃よりちょっと丸くなった顔。
でも笑い方は変わっていない。
そして、俺の心の動揺も変わらない。

エンディングノートの「思い出の人」欄に、
つい“洋子”って書いてしまったのは――内緒だ。

 

休憩時間。

洋子:「今さ、ひとり暮らしなの?」

S:「うん。誰も監視してないから、毎日ダラダラ」

洋子:「私は…バツイチ。今は実家で母と二人暮らし。やっぱ老いはさみしいよね」

S:「……うん。俺、たぶん孤独死予定だったけど、今日なんか、ちょっと希望が見えたかも」

洋子:「まだ終活早いかもね」

 

ここからも、本当のお話です。

 

そのあと、二人でランチ。
さらに、その翌週にはカフェデート。

そして今。
Sのエンディングノートの「連絡をとってほしい人」欄には、
きっちり**“洋子”**と書いてあるそうです。

 

 

人生の終わりを考えると、
思わぬところから“続きを書きたくなる相手”が現れるかもしれません。


中年男よ――
終活セミナーで出会っても、恋は本編スタート可能!

 

私も終活セミナーに行ってみようと思います。